見積もりの『裏表』

2012年04月12日

少し前の話になりますが、一本の電話がかかってきました。
ビルの塗装についてでした。
業者からの電話で、いくつかの条件での依頼でした。
内容は、
①外観が汚いのできれいにしてほしい
②材料・施工内容は問わないので費用を可能な限り安価に
③五社の相見積りで一番安いところに頼む
④管理費として塗装工事費用の20%を手数料として納めてほしい
⑤自社施工という形で契約してるので、その会社の職人として施工してほしい

との内容でした。
一般の方からこの文章だけ見るととてもひどい内容だと
思われるかもしれませんが、この仕事に携わっている人から見たら
特に驚くような内容でもないのが現実です。
世間一般で普通に聞かれる内容です。

数日後もう一本の電話がかかってきました。
ビルの塗装についてでした。
ビルのオーナーからの電話でした。
内容は
①経年劣化がはげしいのできれいにしてほしい
②劣化しているので費用がかかっても必要な処理をきちんとしてほしい
③できるだけ耐用性のある塗料を使用してほしい

との内容でした。2つの内容を見ると全く依頼内容が違います。

住所を伺うとそのビルは同一物件でした。
珍しい事に同じ物件の見積り依頼が業者とオーナーから
かかってきたことになります。

簡単にまとめると
業者からの依頼は安価でとにかく見た目がよければ良い
オーナーからの依頼はきちんとした施工を
との要望です。

おそらくオーナーは同じ内容を伝えているはずです。
それがこんなにも違う内容で伝わってくるのが
なんともおそろしい話です。

最近は「自社施工」といっても
下請けの職人をつかって施工する業者が数多くあります。
それは今までの形態の下請け業者に丸投げしている
実態となんら変わりはありません。
ただ「自社職人」でとか「自社施工」という言葉の響きがいいからです。

常々申していますが、
塗り替えの場合、どんなところに頼もうとも
経路の行き着く先は職人にほかなりません。
また、その経路を迂回すればするほど職人に廻ってくる頃には
全く違った内容での話しになるのが、施主にとっては
怖いことだと思います。

昔ながらに直接、知識・技術・経験を持ち合わせた職人と話をすすめることが
物件や住宅にとって最善の処置になると思います。

今宮崎市では住宅補助金での塗り替えのセールスが
多いと思いますが、その辺も考えて検討することが必要だと思います。



Posted by 塗装職人 at 09:32 | Comments(0)
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