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Posted by みやchan運営事務局 at

国宝ハンドメイド

2009年08月19日

先日、山口・福岡の視察のついでに
山口市にある瑠璃光寺に行ってきました。

この仕事に携わる前と、今とでは見所が全く変わりました。
今までは「ふーん、すごいなぁ」くらいで見ていたのが、
今はかつての職人さんたちの「思い」や「息遣い」が
聞こえてくるような気がします。



壮絶・・・。
これを見て寒気と共に吐き気を覚えたような気がします。
膨大な時間が必要なのと共に、まるで無限のような手作業の数々。
ある意味壮絶なハンドメイドかもしれません。
もし、自分がやれと言われたら、もう…。
単純に「よっしゃ、気合入れて頑張ります。」
などと言ってはならないような、そんな気がしました。

 

この塔は五重塔で、室町時代、嘉吉2年(1442年)頃の建立。
567年前くらいのものです。

当時の職人が、暑い日も雪の降る日も風の強い日も、
ただコツコツとひたすら、ひたすら、ひたすら・・・
丁寧に作ったんだと思います。
「これでいっちゃねー」とか「適当でいっちゃねー」
では全く無く、ひたすら自分の腕を一生懸命
振るっていたんでしょう。
元々当時には作ってすぐに国宝という事はないと思うので、
職人もその意識はなかったんだろうと思います。
ただ技術を駆使した結果が、後世たまたま
国宝になったんだろうな。

心の底からしびれます。

おそらく、この五重塔のどこかに
この仕事に携わった職人達の名前が
刻んでいるか、あるいは書かれていると思います。

自分の手がけたものに自分の名前を入れる。
それはもう職人の誇りの塊だと思います。


今、住宅を見ると、いわゆる訪問営業に
適当にやられたなという塗装工事が
本当に多いです。
自分の名前を残すどころか、
早く現場を終わらせて、集金して逃げるように
立ち去る業者が後をたちません。

営業マンや担当者ではなく、
かつてのように職人がしっかり表に
出てくる世の中が待ち遠しいです。

1級塗装技能士 日高圭介
 


Posted by 塗装職人 at 12:15 | Comments(0)